美のプロとしてクライアントからも信用を得られるように
荒川 昌子
空間・ディスプレイデザイナー
ー88診断を学ぼうと思った動機は?
パーソナルスタイリストをしていて、わたし自身のセンスや感覚、経験でのスタイリングに限界を感じたためです。元々、パーソナルカラーなどを学んで個人に向けたスタイリングの提案をしてきましたが、終了後に「あの提案はベストだったのか?」と考えていました。限られた時間の中で予算やご本人の希望などを考慮してアテンドしますが、あの時間のあの空間の中で自分の中でベストを発揮した、と思っても、他に見なかったお店にもっと似合うものがあったのではないか?自分の中でのベストが本当に正解なのか?もっと自分の届かない世界があるのではないかという疑問があり、より客観的に見られる技術を探していました。
その中で人の紹介づてで88診断の存在を知り、その提案の幅広さと奥深さに惹かれました。88診断は「今日はお店になかったけれど、こういうアイテムも似合います」といった、”そこにないものまで”含めた提案ができる技術なので、あり合わせでなく、お客様が素敵になれる提案ができる事に大きな手ごたえを感じました。
ー荒川さんの思う「88診断と他の技術の違い」はなんですか?
88診断は柔軟ですね。22テイストあっても、同じテイスト同士でも全く同じスタイリングが似合うという結果にならず、微妙なさじ加減の違いがあります。枠や型にはめない本当に個人に特化したパーソナルな提案ができる技術だと思います。だからこそ、学べば学ぶほど難しいので、正直、極めるには相応の覚悟がいると思います。私の場合は深く学んで極めていくことを望んでいるので、「奥深くて難しい」という感想になりますが、88診断自体はベーシックでさわりを学ぶだけでも視点が変わって、自分に活かせる技術だと思います。
マッピングを理解すれば、自分と人の比較ができたり、自分自身のことをより知ることができるので、立場や仕事に関わらず得られるものがあると思います。単に趣味として学ぶこともできるし、技術者として極めることもできる。そういう意味でも柔軟ですね。
ー実際に学んで得られたものはなんですか?
まずプライベートな面だと、私には1歳の子供がいるのですがママとしての自分のファッションで88診断が活かされています。というのも、オシャレ着を着たりメイクに時間や手間をかければある程度は「綺麗」に見せることができるものですが、ママになると難しくなります。汚れてもいい恰好、動きやすいスタイルを優先するあまり女性らしさが欠けてしまい、そのことがますます女性としての自信を下げてしまいます。
そんなとき、88診断の知識はとても役に立ちます。ユニクロや古着でも「私らしい」ファッション、私でいえばクリアスポーティ(爽快)、ダイナミック(大胆)、エスニック(郷愁)が混合されていますが、すっきり爽やかでどこか大胆、そして気取らない雰囲気のファッションを選ぶことで、女性らしさが生まれます。そういったバランスがとれると女性としての自信も保つことができるので、精神的にも健全になりますね。
あと、人付き合いの面でも活きています。昔は自分と属性が同じ人との付き合いがほとんどだったけれど、子供ができると今まで付き合ってこなかった人たちとコミュニケーションをとる機会が増えます。88診断を学んだことで個の違いが分かるようになったので「ああ、この人はこういう人なのね」という理解ができるようになって、受け入れられるようになりました。
ー仕事だと、最近「空間デザイナー」のお仕事が好調みたいですね?
はい、商業施設のウィンドディスプレイや空間デザインのお仕事をいただいています。88診断を学んだことで、ディスプレイをするときのセンスが磨かれただけでなく、対クライアントに対しての提案力がつきました。クライアントがそのとき表現したいものや、どんな人に届けたいのかを理解できるようになりました。以前まではナチュラルな雰囲気と言われると、それこそGoogleで「ナチュラル 雰囲気」とか検索して必死に世間一般の認識する「ナチュラル」を調べていましたが、今は「ナチュラル感を出したいなら配色に自然の色を使って、色もグラデーションにするのもいいですね」「素材感は麻とかリネンだと馴染みます」など、幅広い選択をクライアントに掲示することができるようになりました。結果的にプロとして信用いただくようになり、気づけば年間の契約をいただけるようになりました。
ー今後、学んだことをどう活かしたいですか?
プロ養成コースも進んで、より技術を極める進路を目指しています。正直、本当に自分が納得できるレベルまで88診断を体得するにはまだ時間がかかりそうだと思っています。でも、お客様に似合うファッションを提案する、ということはその方の人生にまで影響することだと思います。プロとして信用され提案する以上は、その責任を負うに足りる技術者を目指したいです。一時期はパーソナルスタイリストのお仕事をやっていた時期がありましたが、今はまずウィンドディスプレイや空間デザインの仕事に専念する時期だと思っています。始めようとした当初より奥深い世界だと分ったので、まだまだ学ばなければならないことが沢山あります。
今は焦らずコツコツと学んで、育児が落ち着いた段階で再スタートを切ることを目標にしています。ファッションをメインにインテリアなどライフスタイル全般を提案してお客さまの人生をさらに「その人らしく」ワクワクさせる、そういう技術者になっていきたいと思います。
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